本来ならば、この時期は秋サケの定置網漁が真っ盛りの季節となりますが、北海道日高地方の漁師さんたちは休漁の日々が続いています。えりも町を歩き、漁師の皆様から深刻な現状を伺いました。
日高地方の沿岸は、3年前に過去に経験のない赤潮が発生し、ウニ等を中身に大きな被害が出ていました。その翌年から秋シャケの不漁が続き、今年は場所によっては2年前の10分の1程度な水揚げを記録するなど、極めて深刻な事態となっています。その上、かねてよりのアザラシによる被害も相次いでおり、網の中のシャケのうちに市場に出せるものは本当にごく少量となっています。
赤潮の被害の際には、水産庁とも協議の上で、被害調査などに地元の漁師の皆様も参画いただきながら、生計も立てていただく国の事業を創設し、急場を凌いでいただいていたところですが、事態は簡単に改善するものではないということもあらためて感じます。不漁については共済制度もあり一定の補償が見込めますが、長期化するようであれば制度の適用も見込めなくなります。またアザラシの被害は環境省の分野ですが、場所によってほとんど補償相当の措置が行われておらず、課題が浮き彫りになっています。
今回の歴史的な不漁の原因が何か、はっきりとは特定されていませんが、地元の関係者たちはあらゆる努力を惜しまず、漁場の回復に努めています。国政においてもこうした事態の支援のあり方に声を上げてまいりたいと思います。