山岡達丸です。

被災地への対応を巡る発信を多くしてきましたが、、今回は外交交渉のことについて。

安倍首相とトランプ大統領が会談し、日本と米国が新しい自由貿易交渉に入るという共同声明を発表しました。

発表の詳細は省きますが、外務省発表の共同声明や報道を見る限りの私の受け止めを言えば

① 日本は農作物の関税で、少なくともTPPレベルまで米国に妥協をするという立場

② 米国は、国内の自動車産業の生産と雇用の増進への措置を日本に求めるという立場

③ 交渉の結果②が果たせない場合には、①よりさらに農作物の関税の妥協を求められる可能性がある

以上が現時点で米国が勝ち取っている中身。

④ トランプ大統領は日本などに対して「自動車の輸入関税を上げる可能性がある」と脅していたが、この交渉中は日本に対して関税は上げない

これが日本が勝ち取った中身。

ということです。
正直、トランプ大統領の交渉術には脱帽です。無から有を生み出すとはこのことかという思いを持ちます。

④について補足しますと、そもそもトランプ大統領の「自動車関税を上げる」発言は、本当に実施されれば完全にWTO違反であり、EUなどをはじめとして世界的に問題となっていた発言です。11月に米国の中間選挙を控えている中、トランプ大統領の選挙を意識したブラフなのではないかなどという見方や、仮に本気で関税を上げるならばWTO提訴も辞さずなどという世界の流れになっている中、日本は「せめて交渉期間中だけでも関税を据え置きしてもらおう」という、志(こころざし)の低い妥協をしたという印象がぬぐえません。

加えて、トランプ大統領がその後の記者会見で発表した内容によれば「日本はすごい量の防衛装備品を買ってくれることになった」とも述べたという事です。共同声明には入っていませんが、彼が堂々と述べるのですからおそらくそういう話もあったのでしょう。もし違うならば、日本はこの発言に対して何らかの抗議をするはずですから。

そして安倍総理は、この協定を以下のように説明しています。

「これは日米FTA(自由貿易協定)交渉とは全く異なる」と。

政府はこれまで日米FTAは考えていないということをさんざん答弁してきました。
この発言には「これはFTAではない、私たちはウソをついてきたわけではない」という意味が込められています。

しかしFTAとはFree Trade Agreementの略称であり、つまりは自由貿易交渉のことです。今回の中身も、日本の農産品がまさに自由貿易のテーブルに上げられ、厳しく関税削減を求められる中身となっています。それが本丸であり、その中身は変わらないのにもかかわらず、「全く異なる協定だ」と断言するのは詭弁だと言わざるを得ません。

2013年3月に自民党安倍政権はTPP交渉参加に舵を切りましたが、そのときに盛んに言ってきたことが「米国との二国間FTAの交渉ならば、さらに厳しい要求をされる。多国間交渉のTPPを通じて米国と交渉した方が、そうした事態を避けられる」ということでした。

しかし結局のところ最後の最後で米国はTPPから離脱し、日本に二国間交渉を求め、そして二国間交渉に乗らざるを得なかったというのが、いまの状況です。
これまでさんざん米国との二国間FTA(自由貿易協定)交渉は考えていない、ということを言ってきたことと辻褄を合わせるために、FTAではなくTAG(物品交渉)なのだ。と。

外交的に押し込まれていることを素直に認めたくないのでしょう。

日米FTAについての追及は、私がことし5月8日に本会議にて安倍総理にTPPを巡る質疑でも行いました。
このときも考えていないということは強弁していました。

しかし最近の安倍総理の話を聞いていると、
「安倍政権の経済政策(アベノミクスなど)がトリクルダウン(果実のうまみが広がる効果がある)政策など、私は言ったことは無い」
「拉致問題を解決できるのは安倍政権だけだと私が言ったことは、ない。家族会がそう発言しただけ」

などと驚きの発言が多くなっています。
そのうち「私は日米FTAをしないなんて一言も言っていない」と平然と言いかねないという状況です。

また別の機会にロシアのプーチン大統領との北方領土交渉についての誤魔化しも記事にしたいと思いますが、
本当の意味で国益に繋がる外交を成し遂げるという意味で、現在の政府の対応はあまりにも不誠実ではないかと感じます。
いずれ国会で質疑をするつもりです。

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