経済産業委員会の質疑の中で、苫小牧におけるカーボンリサイクル事業の可能性について大臣に問うたところ、その可能性の調査を今年度のうちからも始めるとの梶山大臣からの答弁があり、その質疑のやり取りについて、地元紙の苫小牧民報1面で報じられました。
苫小牧では国の実証実験としてCCS事業(CO2を地中に埋める研究)が進められ、その事業もことしで一定の区切りを迎えます。このCCS事業にあたって国はこれまでに700億円もの投資をしていて、このうち300億がCO2分離回収のために設備費で苫小牧に建設されましたが、その設備をそのまま解体してしまうには勿体ないということもあり、他の研究への転用の道を探ってカーボンリサイクル(CO2を別の化合物に変えて再利用する)研究の有用性が指摘されていました。
これらはパリ協定で約束した2050年にCO2を80%削減するという壮大な目標を達成するための有力な手段であり、世界的なプロジェクトとして日本の経済産業省が進めようとしているものです。
おりしも来年のオリンピックでは札幌でマラソンや競歩が行われることになり、大臣に「来年夏のオリンピックのときには、北海道の苫小牧でCO2削減のための世界的なプロジェクトが動いているということを世界に示せるよう、対応していただきたい」という趣旨の質問をしたところ、大臣からの理解が示されるとともに「今年度のうちから、地元企業などにヒアリングを行うなどしていきたい」と前向きな考えを述べていただきました。
苫小牧や室蘭などの胆振地域は、ものづくりの産業が盛んな地域ですが、同時に環境への負荷の軽減やCO2の削減を実現するための世界的な研究が進められるエリアとしても世界に認知してもらえるよう、取り組みを進めて参ります。