石狩港湾における洋上風力の視察
ことし1月1日より商業運転を開始した、国内最大規模の商用洋上風力発電所である「石狩湾新港洋上風力発電所」の現状について荒井ゆたか衆議院議員とともに視察をさせていただきました。
石狩湾の洋上風力は、8000キロワットの大型風車14機で11万2000キロワットの出力があり、また電力調整のために18万キロワットの蓄電池も配置され、2024年現在、国内の最大規模の洋上風力となります。設置にあたっての国内調達率は金額ベースで60%に達しているということで、国内における洋上風力エネルギーの推進は国内産業の活性化に大きな貢献をすることに期待が出来そうです。
洋上風力の推進は、山岡が筆頭理事を務める衆議院の経済産業委員会の大きなテーマの一つであり、今国会では日本のEEZ(排他的経済水域)にも洋上風力を建設するための法案も審議をされます。周囲を海に囲まれた北海道にとっても大変重要な審議であり道内経済振興の視点から、大いに議論に参加をしてまいります。
室蘭工業大学が取り組んだ『シップ・リサイクル』は、脱炭素時代に貢献する
室蘭工業大学が国土交通省と連携して取り組んだ『シップ・リサイクル』という船の解体によって、鉄の源を確保する研究が大きな役割を果たす可能性について、経済産業大臣と議論を行い、大臣からも状況に応じて活用はあり得るという趣旨の答弁がありました。
経済産業委員会では、脱炭素とものづくりの両立を図るための議論が進められており、この日は脱炭素の鉄鋼製品『グリーンスチール』生産の課題と、政府の支援のあり方をテーマに取り上げました。
グリーンスチールをつくるためには、電炉による製鉄が有力ですが、そのためには良質な鉄鉱石を海外から手に入れるか、国内で良質な鉄のスクラップが大量に必要になります。
こうした中で、良質な鉄の塊である船舶を解体して鉄を確保するという考え方も有力な手段として提起をしました。
船の解体は、アジア諸国で行われることが多いのですが、安全上の問題がある労働現場で環境に悪影響がある作業が行われているということが、国際的な問題にもなっています。
こうした中で室蘭市では、室蘭工業大学の室蘭工業大学の清水一道(しみず・かずみち)教授のアイデアによって、かねてから安全な労働現場で、環境に配慮する作業による『シップ・リサイクル』の研究が進められ、2010年には国の『先進国型のシップ・リサイクルシステムの構築』の事業を行い、室蘭港の敷地を使った船の解体は可能だという結果が出たことに、国交省から高い評価を得ました。
2010年当時は、かかった費用に対して、鉄の販売総額が追いつかず、事業化には至りませんでしたが、これからカーボンニュートラルの時代には市場環境が大きく変わる可能性があり、再び注目されることになります。
地域の努力が、いろいろな形で報われるよう、山岡の立場からもさまざまな提起をしてまいります。